カーエアコンのコンプレッサーを調べる
季節は夏ということで、今回はカーエアコンを使用した時の回り出すコンプレッサーとエンジンが、どのように連動しているのかを調べてみました。
はたして、カーエアコンのコンプレッサーは、一度スイッチを入れるとずっと回りっぱなしになっているのでしょうか?それとも、必要に応じて自動で止まったりしているのでしょうか?
では、さっそく解析グラフを見てみましょう。
<解析グラフ>
解析用のログは、Ross-Tech 社の VCDS ケーブルを使用し、信号の少ない田舎道+市街地を約24分間(約1460秒間)走行して取得しています。車の動きは以下の通りです。
停車 ⇒ エアコンON ⇒ 走行 ⇒ 停車 ⇒ エアコンOFF
グラフ中の緑色のラインは「熱交換器(エボパレーター)」の温度、黄色のラインが「車速」。青色のラインが「エンジン回転数」で、赤色のラインが「コンプレッサー回転数」です。
- 緑色 ⇒ 熱交換器の温度(右軸)
- 黄色 ⇒ 車速(右軸)
- 青色 ⇒ エンジン回転数(左軸)
- 赤色 ⇒ コンプレッサー回転数(左軸)
<グラフ分析>
まず、カーエアコンをONにするとコンプレサーが回り始め、それと同時に、熱交換器の温度が急激に下がり始め、約1分30秒で「8~9℃」まで下がります。そして、カーエアコンをOFFにするまでその温度を維持しています。
コンプレッサーの回転数は、エンジンの回転数と連動していて、エンジンの回転に合わせて上下していますが、エンジンの回転数とコンプレサーの回転数にはズレがあり、コンプレッサーの回転数の方が常に300回転ほど低めです。
また、グラフを見る限り、車速とコンプレッサーの回転数との間に関係はなさそうです。
まとめ・備考・その他
ゴルフマンはこれまで、カーエアコンのコンプレッサーは熱交換器の温度に応じて ON ⇔ OFF を繰り返していると思っていましたが、実際には、カーエアコンのスイッチが入っている間は、ずっと回り続けているということがわかりました。
燃費やエンジンの負担のことを考えると、熱交換器が冷えたのにコンプレッサーが回り続けているのは少しもったいない気がしますが、それをあえて回りっぱなしにしたのは、おそらく、コンプレッサーを回し続けるデメリットよりも、コンプレッサーを ON/OFF するデメリットの方が大きいというテスト結果がでたからでしょう。
END