乾式7速DSGのクラッチをコントロール
こんにちは(または、こんばんは)、まだまだ乾式7速DSGのゴルフ5型TSIに乗っているゴルフマンです。
早速ですが、皆さんは乾式7速DSGのクラッチをコントロールする方法があるというのをご存知でしょうか?
もちろん、乾式7速DSG車にはクラッチを操作するペダルはありませんのでMT車のようなコントロールは不可能ですが、実はある方法を利用することである程度のコントロールをすることが可能になっています。
さて、どうやってコントロールするのでしょう?
答えはブレーキペダル
その答えは、ブレーキペダルを踏む量でコントロールします。
発進時や徐行時(疑似クリープ時)のクラッチの動きをVCDSのログで調べると、ブレーキを踏む強さに応じて「つなげる」「切り離す」「半クラッチにする」の3つの状態を使い分けていることがわかります。
具体的には、クルマが完全に停止状態から踏んでいたブレーキを緩めれば半クラッチになり、ブレーキペダルから完全に足を離せばクラッチはつながり、再びブレーキを踏めばクラッチが切り離されます。
このように、クラッチ操作自体は自動化されていながらも、クラッチの動きはブレーキの踏み方ひとつでコントロールできるようになっているのです。
クラッチをコントロールする場面
このブレーキペダルを使ったクラッチのコントロールを知っていると次のような場面で役立ちます。
① 発進する時
乾式7速DSG車が停止状態から動き出すのは、ブレーキペダルから足が離れてエンジンの回転が少し上がり「半クラッチ状態」になってからになるので、「よし、今だ!」と思ったタイミングで走りだそうとすると、どうしてもワンテンポ遅れ気味になってしまいます。
周囲に他の車がいない安全な状況ならワンテンポくらい遅れても問題はありませんが、交通量が多い幹線道路に合流しなければならない場合はワンテンポでも遅れてしまうと、後ろから走ってくる車に迷惑がかかるだけでなく、追突される恐れがあるので非常に危険です。
タイミングに余裕がない時は「発進」をあきらめるのが一番ですが、どうしても急いで発進させなければならない場合もあると思いますので、そういう時は、停止中に車が動かない程度にブレーキペダルを緩めてエンジンの回転を上げて、あらかじめ「弱い半クラッチ状態」にしておいてから発進すれば、タイミングの遅れを少なくすることができます。
② 渋滞している時
渋滞している時も①と同じ理由で、発進時のクラッチ状態をコントロールすることで比較的楽に前の車の動きに自分の車を合わせることができるようになります。
ただし、この方法はクラッチ板の負担が大きいので上り坂での渋滞時に使用するのは避けてください。なぜなら、半クラッチによる摩擦と熱でクラッチ板の消耗と傷みが早くなってしまうからです。
上り坂での渋滞にハマってしまった時は、とにかく半クラッチの時間を少なくすることを心掛けてください。
乾式7速DSG車で避けたいこと
乾式7速DSG車で避けたいのは、トルクコンバータ式AT車の感覚で、ブレーキペダルから足を素早く離してすぐにアクセルをグッと大きく踏み込んでしまうことです。
これをやってしまうと、発進のショックを緩和している「半クラッチ」がほとんど使われないため、クラッチが一気に繋がる「ロケット発進」になるだけでなく、DSG内のミッションやクラッチ板まで傷めてしまう恐れがありますので、注意しなければなりません。
噂によると、乾式7速DSG一式の交換は約70~80万円くらいかかりますので、くれぐれもご注意ください。
まとめ
ブレーキペダルを踏む量でクラッチをコントロールする感覚は、慣れるまでは少し難しく感じるかもしれませんが、自然にできるようになれば発進のタイミングの遅れを少なくするだけでなく、乾式7速DSGの寿命も伸ばすことができますので、ぜひ身に付けてください。
では、最後にもう一度・・・。普通に発進する時はできるかぎり、ブレーキペダルから足を離して半クラッチ状態になって車が少し動き出したのを確認してからアクセルを踏み込む ようにして下さい。
END