乾式7速DSGの正しい乗り方

VWゴルフのオーナーが乾式7速DSG車の乗り方を研究しているブログ

燃費比較「Dモード」VS「マニュアルモード」VCDSログ解析

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今回は燃料消費テスト

大変ご無沙汰しております。ゴルフ5型TSIが愛車のゴルフマンです。

VWゴルフシリーズも2019年に8代目まで登場して、そろそろ中古の7型あたりに乗り替えようかなあ・・・と考えることもありますが、今の5型は故障やトラブルもなく燃費も平均20km/Lは走ってくれているので、どこかが壊れるまで乗ってみようかなあ・・・と、思い始めているところです。

さて、今回はゴルフマンが以前から気になっていた「Dモード」と「マニュアルモード」でクルマを走らせた時の燃費の違いを、VCDSで取得したログから調べてみたいと思います。

「マニュアルモード」はある程度走行するギアを自由に選択できるので、「Dモード」よりも早めにシフトアップしたり、1段高いギアでエンジンの回転数を下げることが可能で、使い方によっては「Dモード」以上の高燃費を期待できるような気がしますが、実際のところはどうなのでしょうか?

では、さっそくテスト開始です。 

テスト方法

今回のテストは、下のイメージ図のような平坦地を含む約3.6kmのゆるい上り坂を上って行いまいましたが、あまり時間がとれなかったので走行回数は「Dモード」「マニュアルモード」どちらもそれぞれ1回となっています。
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おもな条件は以下となります。

  • 走行中はできるだけ時速60km/hを維持する
  • できるだけ高いギアを使う(マニュアルモード)

※下りはほぼアクセルOFFになってしまうため解析から除外しました。

結果

それでは、VCDSのログを解析して作成したグラフを見てみましょう。まずは、クルマ(ECU)がギアを操作する「Dモード」からです。

Dモードの結果

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グラフを見るとわかりますが、Dモードは道路のアップダウンに合わせて頻繁に適切なギアを選択しているようです。そのため、ギアが高くて加速が極端に重くなったり、逆に低すぎてエンジンの回転が上がり過ぎるといったことはありません。スピードも一定に保ちやすいです。

燃料の噴射時間は、全体的に「マニュアルモード」よりも短めに抑えられていますが、停止状態から40km/hの区間だけは「マニュアルモード」よりも噴射時間が少し長めになっているようです。

これは、おそらくECUがエンジンの回転数を抑えようとシフトアップを早めているためで、その代わりに燃料噴射を長めにしてパワーを稼いでいるのだと考えられます。

次に、「マニュアルモード」のグラフです。

マニュアルモードの結果

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「マニュアルモード」では「Dモード」との違いを作るために、登坂①~④ではできるだけ7速ギアを使ってエンジンの回転数を無理に抑えていますが、7速のままでは徐々にスピードが落ちてしまった登坂②と③は、一時的に6速や5速ギアを使っています。

燃料の噴射時間は、全体的に「Dモード」よりもグラフが凸凹していますが、特に高いギアで無理に上がった登坂区間①~④でより盛り上がっているようです。

また、停止状態から40km/hの区間の燃料噴射時間は、意外にも「Dモード」よりも少なかったです。エンジンの回転数は「Dモード」よりも高くなっているので噴射時間も長くなると思いましたが逆でした。

次に、「Dモード」と「マニュアルモード」の燃料噴射時間だけを抜き出してグラフにしたものです。

Dモードとマニュアルモードの燃料噴射時間比較

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スタート地点から平坦地②までは「マニュアルモード」の方が合計噴射時間が少なかったのですが、登坂②にを超えたところから「Dモード」に逆転され、その後は登坂を上るたびに差が大きくなってしまいました。

特に登坂④の燃料噴射時間の差が大きく、高いギアのまま無理に速度を維持しようとするのは、返って燃料噴射時間を長くしてしまうということが分かります。

ただし、このグラフの「合計噴射時間」は、単純に燃料噴射時間を積み上げたものなので、燃料の消費量を比較するためには、これにエンジンの回転数を掛け合わせる必要があります。

では、最後に、燃料噴射時間にエンジンの回転数を掛け合わせて、得られた数値を時間で積み上げたグラフです。

Dモード、マニュアルモードの燃料噴射時間×エンジン回転数比較

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燃料噴射時間だけで考えてしまうと「Dモード」の方が合計燃料噴射時間は短く、燃料の消費量も少ないように感じますが、エンジンの回転数を掛けた総合燃料噴射時間(これが燃費と呼べるもの)になると、意外にも立場は逆転し、実は「マニュアルモード」の方が短くなるということが分かると思います。

まとめ

これまでは、エンジンの回転数を抑え過ぎると加速時にどうしてもアクセルを踏む量が増えるため、返って「燃費が悪くなるだろう・・・」と思っていましたが、今回のテストによって実際はそうではないということが分かりました。

車のコンディションや道路状況にもよりますが、上手にこの「マニュアルモード」を活用すれば、今よりもさらに燃費を向上させることができるかもしれませんね。

ただ、燃費を稼ぎたいからといって高いギアに入れると、スピードを上げたい時にスムーズな加速ができなかったり、エンジンの振動で乗り心地が悪く感じるようになる場合もあるので、あまり無理はしない方が良いでしょう。

END