乾式7速DSG車について
乾式7速DSG車は、エンジンの回転力がダイレクトに駆動輪へ伝わっているため、アクセルを踏んでから加速するまでのタイムラグがほとんどなく、マニュアル車と同様の爽快な加速感を味わうことができるのが大きな魅力です。
また、トルクコンバーター車のような滑りによるロスがなく、軽量で燃費にも優れているなど、メリットの多いトランスミッションですが、正しく乗りこなすためには少しだけ知識が必要です。
※乾式7速DSG車だけでなく、DSG車同じようなダブルクラッチを採用している「Sトロニック車」や「DCT車」も同じように注意した方が良いでしょう。
乾式7速DSG車の注意点
乾式7速DSG車は、エンジンの回転力をマニュアル車と同じ「乾式クラッチ」を利用してダイレクトにトランスミッションに伝達しています。
※クラッチ機構についはこちらを参考にしてください ⇒(クラッチ - Wikipedia)
そのため、停止状態から発進する時に一般的なトルクコンバータ式AT車と同じ感覚で「ドッカン!」とアクセルを踏んでしまうと、エンジンの回転が高い状態でクラッチが繋がって思わぬ急発進(ロケットスタート)になってしまいます。
また、急発進(ロケットスタート)を繰り返すと、乾式クラッチ内部のクラッチ板が早く消耗したり、焼けて滑りやすくなってしまう「ジャダー」というトラブルを起こす原因にもなります。
マニュアル車を運転した経験がある方ならわかると思いますが、マニュアル車はエンジンがアイドリング状態でも、踏み込んだクラッチペダルをゆっくりと戻すだけで車はスルスルスル・・・と前に動き出します。
危険回避などで急発進しなければならない場合は別ですが、それ以外では、アクセルを大きく踏み込まず、静かに車を発進させてクラッチが傷まないようにしましょう。
乾式7速DSG車の発進の基本
以下の1~5の項目は、自分が実際にマイゴルフ5を運転する際に実行している発進時の手順です。 項目が多くて面倒に感じるかもしれませんが、慣れると無意識のうちにできるようになるのでぜひ試してみてください。
- ブレーキペダルから足を離す
- 疑似クリープで車がゆっくり動き出すまで待つ
- 動き出したら少しだけアクセルを踏んで加速する
- そのままギアが3速に入るまで待つ
- 3速に入ったら必要な量だけアクセルを踏む
この中で特に重要なのが3の「動き出したら少しだけアクセルを踏んで加速する」と、4の「そのままギアが3速に入るまで待つ」ところです。
3が重要な理由は、乾式7速DSG車はエンジンの動力をマニュアル車と同じ「クラッチ機構」でトランスミッションに伝えているため、急な発進を繰り返すと摩擦による熱や摩耗でクラッチ板が早く傷んでしまうからです。
事故を避ける場合などの緊急時は仕方ありませんが、普通に発進する時はできるだけアクセルを軽く踏み込む(1/3程度までにする)ようにしてください。
4の場合は、ギアが1速から2速に上がった直後は「半クラッチ」が使われている場合が多く、その時にアクセルを踏み込んでしまうと半クラッチの時間が長くなってよりクラッチ板が傷むからです。
実際には、2速に入って少し経てば完全にクラッチがつながってアクセルを踏める状態になりますが、マニュアル車を運転した経験がない場合は、クラッチがつながったという感覚がわかりにくいので3速に入るまで待った方が良いでしょう。
マニュアル車の運転に慣れていてクラッチがつながったことがわかる場合は、2速からアクセルを踏み込んでも問題ないでしょう。
~ 乾式7速DSG車の発進時の重要ポイント ~
発進時に毎回のようにアクセルを大きく踏み込む乗り方は避けましょう!
備考・その他
以前、試乗した時に感じたのですが、新型のゴルフはさらに低回転からモリモリとパワーが出るエンジンになっているようなので、発進時のアクセル操作にはより注意をする必要がありそうです。それでは・・・
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